群馬大学太田キャンパス(群馬県太田市)では、子どもたちの熱中症対策に向けて、「LoRaWAN(超低電力・超長距離ネットワーク)」による「WBGT(暑さ指数)自動計測デバイス」を開発しました。現在太田市内の小中学校では、先生方が定期的に校庭に出てハンディ型計測器でWBGTを計測し、子どもたちが屋外で活動してよいか判断しています。もし職員室からリアルタイムでWBGTを見られるなら、子どもたちの安全確保と先生方の負担軽減に大いに資することになります。
「LoRaWAN」は、通信速度は遅いものの、電波が届きづらい山中、電源がとれない田んぼの中、校庭の片すみなどで、様々なセンサとやりとりできる通信規格です。センサは一度電源を入れれば数年間稼働する超低電力です。西田進一助教を中心とする太田キャンパスITチームでは、LoRaWAN温湿度計データからWBGTを算出するアルゴリズムを独自開発、任意のPCやスマートフォンからWBGTをリアルタイムでモニタリングできるほか、その値が危険値を超えると先生方にアラートメールを自動配信する機能も持たせました。このたび太田市の全面的なご協力で、この「WBGT自動計測デバイス」を太田市内全小中学校へ配布することができました。LoRaWANの特徴の一つであるスケーラビリティ(大規模化)と広域化の容易性を最大限に活かし、システムのフルクラウド化によるレジリエンス(強靭さ・耐性)の強化を図りました。これらは日本最先端クラスのデジタル県を目指す群馬県にふさわしい取り組みであり、私たちは世界に先駆けたスマートシティを目指していきます。群馬大学の研究リソースが、安全に暮らせるまちづくりに少しでも貢献できれば幸いです。
*詳細はこちらから…
↓